NOTE

忘備録的なイベント、セミナー参加レポート

Branded Shorts セミナー 参加レポート

先日ブランデッド動画のセミナーに行ってきましたので、
内容について共有します。

※今回のは講演者の一人語りかつ
クリエイティブ思考寄りなので、
動画を使った手法の解説ではありませんが、
すこーし左脳で考えたらいろんなものが面白くなるよって内容でしたので
お時間あるときに気分転換のつもりでお読みくださいませ。


Branded Shorts セミナー
高崎卓馬 氏
電通 エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター、CMプランナー
http://shortshorts.org/2017/autumn/ja/program/branded.php

※ブランデッドショートとは?
http://brandedshorts.jp/2017/index.html
デジタル時代のコミュニケーションの多様性から
企業のマーケティング活動におけるブランディング手法のひとつとして注目されています
(手法としては主にBtoCで注目されていますが、
 個人的にはそこに限ったことではないと思っています)

講演内容メモ:
ブランデッドショートムービーの可能性
 広告人は絵面にとりあえず商品を出せばどうにかなると思っている(高崎氏自身)
 映画監督は何もないところから作る ここが違う

初めに余談
「課外授業 ようこそ先輩」のすごい考え方
 自分の仕事を小学生に説明しに行くというNHKの番組
 高いスキルが必要、自分の仕事を理解してないと子供に説明できないから
 もし小学生4年に自分の仕事のことを説明できるだろうか?
 番組例
 ・川崎徹さんの授業
  自己紹介してください、という内容
  小学生に順番にやらせると、お互い知ってる顔どうしだからつまらないおもしろくない
  ところが傘を渡してみる、パタパタしながら同じ自己紹介を言わせてみる
  そうしたらみんな爆笑する 川崎さんはこれが広告だ、と言った
  でも、広告かな?時代でもあるんだよね、商品を説明すれば良い時代でもあったから
  ※川崎さんは1980年代に活躍したCMライター
 ・仲畑貴志さんの授業
  腐ったトマトをほめてごらん、という内容
  肥料にする、罰ゲームにつかうなど意見が出た
  欠点を長所に置き換えるという、ものの視点
  じゃあ、自分の写真を見せて欠点をつけてあげるよ
  今後人生いろいろあるかもしれない
  でも、ここでつけられた欠点は後々生きてる支えになる
  つまりモチベーションを与える
  中畑さんは、自分の授業の時間を
  子どもたちにとっていかに有意義な時間にさせるかということをやった
  子供たちが生きてく糧を与えた、これってすごい
  ※中畑さんも1980年代に活躍したコピーライター
  ※ちなみに、同時代は広告全盛期で糸井重里ら有名コピーライターを産んだ時代
 ・飯野賢治さんの授業
  10人くらいでマスゲームをつくる、という内容
  ゲームとは制約をつくることだ
  優れたゲームは運と能力とのバランスがとれている
  例えば野球 イチローですら打てない弾もあるだから面白い
  ※飯野さんはすごいゲームクリエイター
 ↓
 自分の仕事について日頃から考えよう、子供に説明できるくらい

(高崎さんの仕事、CMプランナーには)
常に二つのクライアントがいる
「企業」と「広告」
「売れる」と「面白い」
 広告は面白くないといけないけど売れなきゃダメ 面白くて売れるものを作る
 "広告というツール"を作る、これを企業が認識するには
 自分の考えたことを、これだと面白いだけだ、これだと売れるだけだ、と疑い続ける

変化を自分で言語化しておく
 (娘がテレビを見ていたと思ったらスマホで前週のドラマを見てた、
 テレビを見る姿勢が変化している)
 なぜテレビ見なくてスマホ
 これを言語化して使えるようにしておく必要があると思った

あるウェブ動画がCMとして炎上した
 ウェブ動画がたたかれたのに
 記事になったときにはCMがけしからんと掲載された
 世の中WebもCMも動画に線引きがなくなった
 ウェブだからさ〜って軽くやってるのはダメだね
 見る人は映像として認識してどちらも並列で見てる
 つまり人がデバイスを気にしなくなってる
 これ、どう炎上を切り返したか
 あるWeb動画)エーザイのCMチョコラBB
 「バカが多くて疲れません?」炎上→「おりこうが多くて疲れません?」
 https://www.youtube.com/watch?v=stPrSWJuibw
 https://www.youtube.com/watch?v=Y5hS8Ppmesw
 ほら、面白い挽回の仕方があるんじゃない?

それからたとえば新聞
 新聞といえばテレビ欄
 地デジが始まって新聞のとなりにリモコンを置く必要がなくなった
 家の中の定位置に新聞がなくなった
 復活しようとするなら、今度は人生の中での新聞の定位置をみつけなきゃダメだよね

無意識の寄り(アップ)が増えている
 CMは大画面で見ると編集が早くて疲れる
 今はパソコンで動画の編集チェックするのが普通
 だから無意識にロングショットが減りアップが増える
 だって画面が小さいからそうなっちゃう
 とくに若い人が作るとそうなりやすい、デバイスの変化で
 その感覚を自覚しておく、今自分が寄るべきかなど考える
 例えば、ロバートデニー
 CMでキャスティングしたが、目だけ動かして演技
 だって普段でっかいスクリーンで仕事してるから 目の演技で画ができる
 https://www.youtube.com/watch?v=QASZ4mFewgg
 そういうセンサー持っておくこと、自分で言語化しておくこと
 
テレビを使う意義 ウェブにない価値
 テレビって自分以外の人も観てる感がある
 同時視聴感 単なる視聴数以上の価値なんじゃないか
 Webみたいに自分しか見ていないと思ってしまう意識とは違う
 カンヌで見たら興奮した作品が家のテレビで見たらあれ?ってなる
 同じものでも見る場って大事
 映像の意味合いを感じるセンサー持ってたほうがいい

たとえば映画とドラマ
 テレビは目を離しながら見るのでそのシーンを説明しないといけない
 映画はずーっと見てる
 ところがNetflixは1対1の関係で見る動画だからまた違う
 それらが、どうして違うのかなぜ違うのか考えて
 一回目を離しながら見るものがある なら、どう対処するか考えよう

人間について
 自分が先にコレいい!って言いたいからシェアする
 (読めない漢字)あれなんて読むんだ?ってシェアされる
 結局それが人間じゃん 普遍に近づいたものは時代を超える
 人間って面白いものだけを探してる
 それを待ってる人間と待てない人間がいるだけで
 人間って変わらない
 2時間で人の心を動かすのが映画
 ドラマは数話で人の心を動かす
 でも、感動するってことは変わらないよね

携帯で映画を見る
 ドコモのdTVという携帯動画の提案のとき
 (携帯でオリジナルドラマ等が見れるサービス)
 携帯動画なんて面白くないものだと思ってた
 テレビにもドラマにもならないのが集まってると思ってた
 そこを、映画が優れていることを伝える動画としてプレゼンした
 キャスティングに映画の神様をキャスティング デニー
 下北とかで飲んでるときに松田優作デニーロだけは認める言ってたらしい
 ならこの動画には息子が最適だ
 キャスティングの真意言わないPRしないけどフィルムには出るだろう
 そういうのを込めていれば人の心は動かせる
 これ、CMだと許される(15秒30秒の世界だから)
 映画にはできない、ドラマにはできない手口
 広告は手口合戦だよ
 映画ぽいものドラマっぽいもの多いけど
 15秒30秒で鬼のように磨いてる作品もある
https://www.youtube.com/watch?v=QASZ4mFewgg

ブランデッドショート
(高崎さんが)自分がやろうとしてたことに言葉がついた
 広告要素入れたい
 ウェブで企業が作ってても絶対に見ないと言われても
 絶対面白くする

「タイムスリップ! 堀部安兵衛三井不動産レジデンシャル株式会社のCM
 映画2時間だと思ったのに30分
 それなら見るな、エンタテインメントのコンテンツと思って見てくれる
 単純に30分で面白いものを作るのではなくて映画という誤解を作っといて
 面白いものをつくる 面白そうに見せる
 輪郭を与えておくと人は見る
 https://www.youtube.com/watch?v=Phy7g13-aLo

「(au?のCMガラケー時代のテキストチャットツール?忘れた)」
 映像に制約があると抜群に面白くなる
 フリップでしか会話しない(大事なときに誤字とか)
 他では絶対にありえないシチュエーション
 ルールは企業や商品に近いといい
 ものを置き換えると面白くなる

K-19」映画のCM
 潜水艦の映画のセリフをオフィスのエレベータで再現
 CMがもってる制約の美学だ
 あったら輝くよね
 https://www.youtube.com/watch?v=pOnnGurlhMA

CMや動画って 人のココロに触れる 感情の起伏を作る
 泣く←→笑う
 驚きが心の振り子を大きくする
 予定調和が振り子を止める
 そうなると思わなかった!で振り子は大きく触れる
 世界は二軸でできてる 意図的に考えて
 どのくらい引っ張ると人でなし感がでるか考えちゃう
 予定調和をぶっ壊すため
 かならず裏切る、気持ちいい方向に
 敵は予定調和だ
 どんなメディアで出て行こうと
 鮮やかな予定調和の壊し方を求めてる

YouTubeとか6秒以内にやってターゲティングで何回も
今、企業ってそっちにシフトしちゃった
豊かなイメージなくなった 人の心の中に質の高い
だから、逆に10分とかで人の心捕まえて感動させる
コマーシャルは佐藤雅彦の時代に戻りつつある
※佐藤さんは90年代ポリンキー湖池屋スコーンなどのCMを
手掛けたクリエイティブディレクター
今、企業って伝わり方にしか興味ない
企業のいいたいこと100パーセント伝えたいっていう
今の時代これの猛者(佐藤雅彦的な人)現れたら席巻するだろうな、ハハ
これって、効率を上げてくシステム
効率ではないものって映画かも?
ブランデッドショートのカテゴリは一つのツールになるかも
じゃ、広告主にはなんていう?
つまんないものつくるかもしれない、約束できないです
でも、6秒で言いたいこと100パーセント言うって効率いい
拡散すること考え始めた拡散力の高いものがいい それで炎上が生まれた
じゃ、やんないほうがいいか?になってる、今

どんな商品でもブランデッドショート向いてるわけではない
物自体が豊かなものじゃないと商品が
たとえばウイスキーとか旅とか
豊かな体験をする場を提供して好きになってもらう
だから広告はその企業の商品でもある
6秒動画は商品じゃない看板だ
ブランデッド動画 企業が覚悟をして作ったもの
顧客とコミュニケーションをする商品なんだ
企業のビジョンとは、なんのために体をなして
ファンを増やすし、そこで働きたい若者を増やす
広告はものを売るためだけではない
息が長い企業の商品だ 人の人生を変えるかもしれない
15秒CMを20回与えることができたら価値観をずらすことができる
でも、6秒が50回なんてできないな
なら、30分1回で十分
企業自身の言葉だけでは人は動かせない
余談だけど、節つけると真似したくなる(サウンドロゴとか)
生理的なところでコミュニケーションするのが佐藤さんのやり方
人を動かす ちょっと笑う それだけでいい1日になる 人の人生をプラスにする 映像
自分のためだけにやってるものは響かない
人の笑顔作りたい
とはいえ、ブランデッドムービーは6秒CMとバランス必要
両方が人の頭の中で1個になってブランドになる